PLATE COUNTERBORE DEPTH MEASURING皿ザグリ深さ測定器
皿ザグリ深さ測定器は、従来の測定方法で課題となっていた皿ザグリ深さを、誰でも簡単に正確に測定できる画期的な専用器具です。機上でも寸法確認が行えるため、生産現場の効率化と生産性向上を実現します。
皿ザグリとは?
皿ザグリは、皿穴を加工する方法の1つです。
ねじ穴のふちを、ねじの頭よりも大きくすり鉢状に削った穴のことで、「ねじの頭が製品の表面から飛び出さないようにする」役割があります。この形状は、特に薄板や樹脂製品などで、ねじが表面に埋め込まれるようにしたい場合に欠かせません。
皿穴の加工は「皿もみ加工」とも呼ばれ、ねじの頭を板金と同じ高さ、またはそれより低い位置に沈めるためのすり鉢状の穴を作る加工方法です。
皿もみ加工の種類
皿もみ加工には、以下の2つのタイプがあります。

これらの加工を施すことで、ねじの頭が皿ザグリ部分にすっきりと収まり、製品の表面から飛び出さない仕上がりが得られます。
今使われている主な測定機器と課題
皿ザグリの深さを測定するための主な方法として、デプスゲージや接触式形状測定機などが挙げられます。しかし、皿穴のストレート部とテーパー部の隅に刃物のR(半径)が残るため、デジタルノギスや一般的なデプスゲージでは正確な測定が困難です。このような課題を抱えている現場は多いです。
例えば、皿ザグリの深さに±0.1mmの寸法公差が求められる場合、接触式形状測定機などを用いて測定する必要があります。しかし、加工が浅かった場合には追加で追い込み加工を行わなければならず、非常に手間のかかる作業となります。
例:M2 皿ザグリ深さ『0.3±0.1』の測定
※皿ザグリ深さ⇒皿穴と90°の交点

M size | 皿穴径 | ストレート(参考) |
---|---|---|
M2 | 4.3 | 0.2~0.4 |
M2.5 | 5.3 | 0.2~0.4 |
M3 | 6.4 | 0.2~0.4 |
M4 | 8.6 | 0.3~0.6 |
M5 | 10.6 | 0.3~0.6 |
M6 | 12.8 | 0.3~0.6 |
M8 | 17.0 | 0.3~0.6 |
課題まとめ
- 皿穴φ4.3と90°の交点に刃物Rがあり、受け入れ検査や機上での測定が困難!
- 測定のためには加工機から一度おろさなくてはならない!
皿ザグリ深さ測定器は、
測定が難しい皿ザグリのストレート深さ専用の測定器です
このような課題を解決するために開発されたのが『皿ザグリ深さ測定器』です。この測定器は皿ザグリ深さ専用に設計されており、従来の測定機器と比べてはるかに効率的な測定を実現します。これにより検査効率を向上させ、生産性の向上にもつながります。

皿ザグリ深さ測定器の特長
測定が難しい皿ザグリ深さ(交点部)を誰でも簡単に測定可能
刃物のR形状を回避して、高精度な測定が可能です。
加工機から取り外さずに測定が可能
作業効率を向上させ、加工後の追い込み作業を最小限に抑えます。加工機上での測定が行えるため、作業時間を大幅に短縮できます。
マスターゲージで日常の精度点検が可能
マスターゲージには実測値を刻印しています。正確な測定ができているか確認できます。
ハンディタイプで持ち運びが簡単
工場内外を問わず、どこでも手軽に使用できます。
お客様の声から皿ザグリ深さ測定器を開発しました!


お客様より「皿ザグリの深さ測定で困っています。深さ寸法に±0.1の公差がついているのですが、デジタルノギスでは交点に刃物Rが付いているため、上手く測定ができません。正確に測定するためにはワーク機械から外す必要があるため手間です。皿ザグリを測定する測定器はございますか?」というご相談をいただきました。
お客様からの相談を受け、刃物Rを回避して【皿ザグリの交点深さ】を開発しました。
皿ザグリ深さ測定方法
測定器の先端を製品に挿入して、横に押し当てる。皿ザグリ穴と45°の交点の深さを測定できる。(工具Rを回避)

納入先企業様一覧(順不同)
- 株式会社 豊田自動織機 様
- 株式会社 PEGASUS 様
- 株式会社 大生工業 様
他10社様 以上
製品情報
商品タイプ | 皿ザグリ深さ測定器 |
---|---|
型式 | PC-φ3-R0.4 |
測定対象 | 皿ザグリの深さ |
測定範囲 | 深さ0.2 ~ 4.5(M2~M8) |
測定精度 | ±0.01 トレーサビリティのとれた測定機の実測値を刻印したマスターゲージ付き |
トレーサビリティ | 校正証明書・トレーサビリティ体系図の発行可能(有償) |
付属品 | 測定ゲージ(測定器+治具)、マスターゲージ、収納ケース、取扱説明書 |